海上防災
- 何をしているのか
- 作業船および警戒船のオペレーションが主な業務です。具体的に言うと、千葉港に入港する船の綱取りボートやパイロット送迎用のボートの手配から、船への給水、タンカーやLPG船のための警戒業務などを毎日行っています。さらに千葉港には石油コンビナートが多数あるので、油の漏洩があれば油防除のための作業船の手配が必要です。それ以外では花火大会や海上レースなどのイベントの際にも警戒船に乗り込んで東京湾へ出ます。みなさんが花火を見ている間、海上警戒の指揮を執っているのです。
- この業務の意味合いは?
- ひとことで言えば、東京湾の安全を守り、環境を保つために海上をクリーンに維持すること。そのために有事に備えた訓練を定期的に行うことも業務の一環です。お客様や官庁関係の方と長時間打ち合わせをし、作業員の方の要望を聞き、防災訓練を重ねて安全意識を向上させます。作業船や警戒船の手配、指示はパズルのようなもの。プランの組み方次第で作業の効率や成果が変わってくるので、いつも真剣勝負です。訓練に自分のアイデアを盛り込んだり、作業船の動きやすい配置を考えたり、新しい試みをしています。
- 印象的なエピソードは?
- ある防災訓練での出来事が印象に残っています。この仕事は当日の気象・海象によって思いもよらないアクシデントが発生するものです。その日も風が強く吹いて、海上に流出した油を包囲して封じ込むオイルフェンスの性能限界に近い状態でした。作業船で浮体式のオイルフェンスを所定の位置まで運ぼうとするのですが、風や波の影響で狙い通りにいきません。対応に苦労したことは苦い思い出です。しかし訓練を重ねることで、実際に油が流出したときに素早く初期対応をすることができました。お客様から感謝の言葉をいただき、本当にうれしかったですね。
- 働く現場から皆さんへ
- 海上防災業務は専門用語が多いのが特徴です。毎日の仕事で使うので、自分から何にでも興味を持って覚えることが重要ですが、先輩や上司が丁寧に教えます。また突発的なアクシデントへの備えも必要です。有事の際には海上の現場で油防除などの陣頭指揮を取ることも。そんなときは独りよがりに指示を出すのではなく、常に周囲を見渡し、作業員の方に気を配ることが大切です。誰でも最初から完璧にできるわけではありません。ひとつひとつ経験して吸収していってください。